沖縄の野菜で最も有名なのはゴーヤーと言っても過言ではないと思います。
沖縄県内はもちろん、最近では本土のスーパーでもたくさん見かけるようになりました。
内地の方がよく「ゴーヤ」と語尾を切って発音しますが、沖縄では「ゴーヤー」と語尾を伸ばして言います。沖縄の人にゴーヤと言うと怒りだしたりするので、気にしてみてください(笑)
ゴーヤー料理に慣れていないと、青臭かったり苦すぎたりと少し食べにくかったりするかもしれません。これは下ごしらえをしっかりしておくことで、随分と和らげることができます!
この記事では、基本の下ごしらえを紹介しようと思います。その後に、ちょっとした実験を交えながらゴーヤーの味について研究してみます。
基本の下ごしらえ
青臭さと苦味を抜くには、事前に塩もみをしておくのが効果的です。
まずは縦半分に切ってしまいます。

中には種とワタが詰まっているので、スプーンでかき取ります。

写真ではきれいに取っていますが、実はワタをきれいに取る必要はないです(個人的には、少し残すようにしています)。これについては「ゴーヤーのワタは苦い?」の節でもう少し詳しく説明するので、後で読んでみてください。

使う大きさに切っていきます。おひたしは1~2mm、チャンプルーなら3~4mm程度です。この厚みについても「厚く切ると青臭い?」で詳しく説明しています。

切ったゴーヤーに薄く塩を振って軽く揉んで、しばらく置きます。水分が出てくるので捨ててしまってください。
この水分と一緒に、苦みや青臭さが一緒に出ていってくれます。
おひたしにする場合は、手で握って水分をしっかりと絞り出すとよいです。ゴーヤーチャンプルーの場合は炒めるときショボショボになってしまうので、あまり水分を出し過ぎないようにします。
火を通すと苦味が収まるので、チャンプルーの時には必ずしも塩もみで苦み抜きをする必要はないと思っています(我が家では、水に浸して軽く揉むくらいで済ませてしまいます)。ゴーヤーの苦みが好きな方はこれくらいで十分かもしれません。
ゴーヤーのワタは苦い?
母からは、「ワタが苦いからしっかり取るのよ」と教わってきました。インターネットでもそういった説明をしばしば見かけます。
ですが個人的に本当にワタは苦いのか長年の疑問だった(笑)ので、ちょっと実験をしてみました。
半分はしっかりワタをこそぎ落し、残り半分は少しだけ残した状態にしたゴーヤーを用意しました。

それぞれ塩で水分を抜き、かつおだしで少し味を付けただけのおひたしを作ってみました。

見た目ではどちらにワタを残したのかもうわからなくなっていますね。
食べてみて驚いたのは、味には全く変化がないこと。どちらも同じような苦みです。
ワタは苦くなかった!
大きく異なるのは食感でした。ワタを残した方は、ワタの部分が少し硬く、食感が楽しい仕上がりでした。
チャンプルーも同じように比べてみましたが、やはりワタが少し残っている方が食感があり、個人的には少し残した方が良いように思えました。
厚く切ると青臭い?
外食をすると時々、厚く切りすぎて苦くて青臭いゴーヤーチャンプルーに出会います。
経験的にも、厚切りのゴーヤーチャンプルーが出てくると身構えてしまいます(笑)
とはいえ、ゴーヤーはしっかり火を通せば苦味はだいぶ落ち着きます。ちょっと実験してみましょう。
三種類の厚みで切ったゴーヤーを用意しました。真ん中が普段ゴーヤーチャンプルーを作る3~4mmの厚みで、右は5~6mm、左はサラダやおひたしにするような1mmほどの極薄切りです。

それぞれを炒めてみます。塩としょう油とだしの素で薄く味を付けました。

薄切りの方から順に食べ比べてみます。

一番薄いゴーヤーは、青臭さも苦みもあまりありません。軽く火を通しただけですが食感もあまりないので、他の具材があると存在感が無くなってしまいそうです。
普段通りのゴーヤーは、程よく苦みが残り、いつもの美味しいゴーヤーです。
さて、問題の厚切りゴーヤーはというと、しっかり火を通したので、美味しい仕上がりです。
厚切りでも苦くなかった!
「苦い」「青臭い」といった問題は、厚みではなく火の通り具合にありました。
薄切りの方はものの1~2分で火が通ってしまったのに対して、厚切りの方は5分以上じっくり炒める必要がありました。
ゴーヤーチャンプルーでは他の具材が入ってきます。となると、薄切りは火が通り過ぎ存在感を無くし、逆に厚切りは火が通らず苦~いゴーヤーチャンプルーになってしまうわけです。
ちょうどいい厚みでも、チャンプルーで程よく火を通すには具材を投入する順番・タイミングも非常に大切です。
うまくいかない人は、好みの美味しい苦みが出せるように何度か練習してみてください。きっとおいしい加減が見つかります。
まとめ
- 苦さ、青臭さを抜くには事前に塩もみをしておく
- 実はワタは苦くない。食感のもとになるので、少し残しておくのもアリ
- ゴーヤーチャンプルーの苦みは、火の通り具合で決まる。火が通りすぎても、通らなさ過ぎてもダメ。
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